おくりびと

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このところ、人間の生と死についてのテーマが続いていますが、今回もご他聞に漏れず。

人間は必然的にこの世に生を受け、生きるために生けとし生きるものを食し、そして死を迎える。
人間は一人で生まれ、一人で死んでいくと言うが果たしてそうなのか。
人間の誕生は、実にありがたく祝福すべき一大イベントであり、誰もが顔を綻ばして両手を広げ迎え入れる。
が、死についてはどうだろう。
あるものは顔を背け、あるものは尊び、あるものはいつまでも執着する。

主人公の大悟は、オーケストラのチェリストで、これから順風満帆な人生を過ごすはずだったのが、突然解雇。
その人生に疲れ、山形の故郷に戻る事を決意。
しかし、職が無い。そんな折に折込広告で見つけたとある仕事。
それが納棺師。云わば、人生の最期の準備をお手伝いする仕事。
遺体を清め、死装束を纏わせ、死化粧を施す。御棺に入れる寸前までを執り行う。
その所作は実に美しい。ところが、世間体は然程宜しくない。
挙句の果てには妻にまで否定される仕事だが、徐々にその仕事に魅力を感じ、やがて誇りに思うようにまでなる。

人間誰しも死を迎える。
ところが、それに纏わる事象は忌み嫌うもうので、忌中というのはそのせいだろうか。
だが、必ず受け入れなければならない人間の死という出来事。
親族、知人、そして自らの死―。

その一連の出来事をユーモアを交えながらも見事に描ききった今作は、一生に一度だけでも目を通しておくべき一作であろう。