Sushi-rituality Topic vol 10 包丁

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さて今回は、鮨調理のうえで最も重要な道具包丁について触れてみたいと思います。

 皆さんがよく目にしているお鮨屋さんの包丁といえば柳刃包丁や蛸引き包丁といった長い刀のような包丁でしょう。でも実際にお鮨を製造していく過程の中で一番使用頻度が高い包丁は出刃包丁です。魚を仕入れてからお鮨の切り身に持っていく段階で9割は出刃包丁が活躍して最終段階のお客様の前でお鮨を提供する段階で柳刃の登場となるわけです。

 また職人として成長していく過程で最も重要な条件として人間性と包丁をいかに磨き上げられるかということが最重要課題となってくるわけですが、この包丁を研ぐといういたってシンプルで奥の深い作業でみんな骨を折るわけです。 お客様の前で恥をかかずスムーズに魚を取り扱える包丁を研げるようになるには少なくとも4,5年はかかるでしょうか。もちろん何十年やっていらっしゃる方の中にも全然切れない包丁を使っている人もいますが。ここはある程度センスも要求されてくる部分だと思います。

逆に切れる包丁とはまるでその包丁に何か特別なパワーでも宿っているかのように切れるわけです。私も長い間この仕事をしていてそのレベルに達した包丁を数度触らしていただく機会がありましたが、まるで映画に出てくるレーザーソードの様な切れ味とでも申しますか。

 勿論包丁そのものよりもそれを扱う人の研ぐ技量と切る技術が最も需要なのですが、包丁そのものの鋼材や製造過程などもほうってはおけません。鋼の種類としては青鋼、白鋼、混合鋼などがあり青鋼が最も高価ですが、最近は手入れが楽な混合鋼が人気です。焼き方や合わせ方なども様々ですが、最高級仕上げとして水本焼という製法があります。水焼はよくテレビなどで刀を水につけて作っているシーンを眼にしますがあのことです。失敗率も高くベテランでも5本に一本は失敗するらしいですが最も粘りが強くしなやかな包丁ができおがる製法です。事実かなり身が硬く密度の濃い魚たとえば平目や羽田などを切るとその違いがよく分かります。また自信が付いてきたら柄にもこだわりたいところです。黒檀、象牙、マホガニー、ローズウッド、珊瑚礁などいろいろとありますが自分で実際に触れてみてしっくりくるものが一番ですね。

あとは砥石も様々な種類が出ていますが最近はセラミック素材のものが多くみかけます。私はミネラル素材のものを愛用していますが好みの問題ですかね。でも荒砥500~ 中砥1500~ 仕上げ4000~の三段階の目の粗さの砥石を使い分けて使うのが良いと思います。

最近は自炊される方も随分ふえたようですがご家庭で用意する包丁でおすすめなのは、ステンレス製の牛刀、大きめのぺティナイフで砥石は中砥石1500番があれば十分ですよ。