今回の【どうなるデジタル音楽販売】第17回は衝撃的なニュースが飛び込んできた。DJdownload.comが経営難に陥り資金繰りに失敗、その救済措置としてjuno recordsがDJdownload.comを吸収合併し、download販売の基盤強化に動くというものだ。(ソース元:RA)楽曲のデータ販売が主流となりつつあるなかで、やはりショップのしのぎ合いが苦しいという事も浮き彫りになったニュースで筆者の私も少々驚いている。まぁ、このような吸収合併の背景にはダンスミュージック界では最大規模、最大楽曲数を誇るbeatportによる販売戦略が末端まで浸透し、主流となった事が他の販売サイトも対策をしてきたものの力及ばずといったところだろうか。
ただ、今回の吸収合併は両者にとってもメリットは生まれるだろう。楽曲数はbeatportに及ばないものの、取り扱うトラックのクオリティはJuno、DJdownloadの方が個人的に好きだし、何より大きなメリットはインフラだろう。このサーバー代、回線使用料が中小ダンスミュージック販売サイトの経営を圧迫しているのだと思う。取り扱う楽曲数が増えれば増えるほどコストは肥大化してしまうし、それこそデータセンター間借りして経営を行っているものと思慮される。これが一部統合出来るとなったらJuno側から見れば新規導入コストよりも格安でインフラが手に入るしDJdownload.comの既存客確保も容易だ。
個人的にはこのような合併・統合が進むと最大の難敵はitune storeとamazon。この2つが仮にアンダーグラウンドなダンスミュージックの取り扱いをbeatport並みの品揃えで拡大したら、ひとたまりもないだろう。資本主義の行く末は大体こんなものだろうが(現実問題、手を出すかはハッキリ言って分からない)、そうなった場合は結果としてマーケットの存続自体も少々疑わしくもなる。新規参入がしにくく、サイト運営側のコストばかりが肥大化するシステムに投資をしようと思う投資家も昨今の世界情勢を鑑みても難しいといえる。そうなると、アナログ販売やマニアックな機材販売も行っているJunoはbeatportよりも販売チャネル数だけで見ると優位になれる。
この先、ダウンロード販売は恒久的に右肩上がりを続けられるのだろうか?既に筆者の私は市場としては飽和状態にあると思っているし、今後飛躍的に経営が楽になるとはちょっと思えない。依然、違法ダウンロードは後を絶たないし一昔前の”Anthem”が生まれにくいマーケットになっているので、正直ダウンロード販売のみで生計を立てているレーベルも少数だと思う。このような環境下が長期化すると、どんどん市場は小さくならざるを得ない。これが筆者の私が一番危惧している事で、また早急な打開策を講じなければマズイと思っているが全員がハッピーになれる対案は現時点では思いつかない。うーん、本当に難しい問題です。


